新規顧客獲得はなぜ難しいのか?
新規客を獲得していく宣伝戦略を実行しなければビジネスは必ず行き詰ります。
しかし新規客獲得は年々難しくなっている傾向にあります。
なぜ今は新規客獲得が難しくなっているのかを考えてみます。
新規顧客獲得は年々難しくなっている。なぜ難しいのか?
新規顧客一件獲得するにもスムーズに即決することはあまりないといえるのではないでしょうか。
「一件の顧客を獲得するには、これだけ苦労するものなのか」と一度は誰もが経験することでしょう。
その原因は営業能力だけでなく「買い手の環境変化」も大きいようです。
新規顧客獲得が年々難しくなっているその理由と原因をひも解いてみます。
新規顧客獲得が年々難しくなっている理由
1.コストがあがってきてる
これまでの時代は、マス広告に代表される、TV・ラジオ(地方局含む)・新聞(紙面広告、折込チラシ)・雑誌(地元フリーペーパー含む)など新規顧客獲得のために比較的な大規模といえるプロモーションを展開してきましたが、昨今は効果が薄い上、多額の費用を広告にかけるのが困難になってきました。
今までの広告手法では費用対効果が見込めなくなってきたといえます。
2.価格競争が激化している
競合他社との差別化がなくなってきた。あるいは差別化を打ち出す方法がわからないという理由で価格が安いという価値のみを競う戦いに参入し、結果、新規顧客獲得の為のコストが出せなくなってきています。
まずは電気店やスーパーの例でみてみましょう。
スーパーの野菜はどの店で買ってもほぼ品質が同じです。電化製品ならなおさら同じ製品はどこで買っても同じ商品ですね。このようにお客様がどこで買っても同じ商品・同じサービスを受けられる場合、顧客はより安くて量のある店で購入します。
また、身近なコンビニ各社やスマートフォンの例でいうとかつて個体差のあった商品・店舗。
売り出し当初は、各々で他店にない特化した機能・サービスがありました。
しかし、だんだんと競合他社と同じ機能を搭載し合うようになり、昨今は性能・サービスが横並びになってきました。
コンビニのコーヒーやドーナツの例ではそれが顕著でした。
「コーヒー目当て」「ドーナツ目当て」の理由で他社に行かれてしまっては困るという理由で、最初に導入したセブンイレブンと同じにローソンやファミリーマートでもすぐ置くようになりました。
スマートフォン市場でも同じく、他社製品搭載機能はすぐに自社でも搭載します。
自社にないサービス目当てで他社に行かれてしまうのを防ぐ為に、他社と同じサービスをするようなったので、結果、競合間同士で差別化がなくなり、消費者からみたら「どれも同じにみえる」。消費者は値段(と量)でしか判断ができなくなってしまい、安い店舗に集まる。
差別化がなくなると、さらにどうなるか?
今度は価格で差をつけようと、1社が値段を下げる、すると他社も下げないと売れないので、結果、安売り合戦をする市場になってしまっています。
価格競争が激化して、安さ(と量)でしか新規顧客を獲得できない傾向が市場に広がっています。
しかし、私たちは、ここで、経営者様達に向かって、警鐘を鳴らさねばなりません。
安売り合戦への参入は危険です。やめてください。
体力消耗戦になるので、大規模資本という体力のない中小企業・個人事業は首を絞めることにつながります。
単価が安いと、利益を出す為に大量に売らなければならなくなり、より多くの顧客獲得が必要になります。顧客獲得のコストはかさみますが、単価が安いため利益率が低くなり、顧客獲得のためのコスト(広告費)は思うように出ない、赤字になってしまうという悪循環に陥ります。価格が安いという価値ではなく、御社の強みを価値として打ち出して差別化を図る必要があります。
3.大手に客をとられてしまう
一般に新規顧客獲得は、既存顧客向けより5倍の販促コストがかかるといわれています。
資金力やリソース(経営資産)が潤沢にある大手企業のほうが新規顧客開拓という販路は有利なのです。
逆に資本力やリソースが限られている中小企業・個人事業は、新規顧客獲得には不利なので、中小企業・個人事業ならではの小回りをきかせた工夫や戦略が必要です。
4.検索エンジンの進化により、分からないことはネット情報から
新規顧客獲得が難しくなった理由に、市場動向や営業方面の理由だけでなく、「買い手の環境変化」もあげられます。以下の[5][6]もそれにあたります。
インターネットの台頭により、分からないこと調べたいことの一時情報は全て検索エンジンが解決してくれるようになりました。
従来の営業マンから情報収集するという術は限りなく減少しました。
パソコン、スマートフォンを持っている人は何を調べるにもインターネット。検索エンジンに知りたいことを打ち込めば、一般的なことなら分からない情報はないといっても過言でないでしょう。商品情報、店舗情報。中には新米営業マンに聞くよりもネットで調べた商品情報・技術知識で詳しい消費者も大勢います。
実際に自分が消費者の立場だったら、思い当たると思います。
見も知らない営業マンと口をきくこと(電話・メール)は、最初に勇気が入ったり、永遠と売り込まれるトークに巻き込まれたり、翌日以降も営業がかかってきたり・・・。
誰でも少なからず嫌な思いをした覚えがあるでしょう。
そんな恐れがあるので、消費者にとっても営業マンに問い合わせることは、非常にハードルの高い行動です。できれば避けたいのです。
それよりも、匿名のまま何でも調べられるインターネット検索を大多数の人は選びます。
店舗側にしてみれば、見込み客と直接接する機会が以前より減少したのです。
営業マンへ接触する理由は、どうしても分からないことを聞く時や「購入してもいいな」という時以外、少ないでしょう。逆にいうと、接触してきた消費者は、すでに購入温度の熱が高くなっている見込み客かもしれません。大切にしてください。
また、現代的にいうと、デジタルマーケティングを使って新規顧客をこの高い購入温度にまで育成するのが取り組むべき課題です。
5.権限の細分化、関門の複雑化が進んで購入まで時間がかかる
BtoBにおいては、新規顧客が企業であることが全てのケースでしょう。
相手も企業として購入する以上は、担当者だけでなく、上長や関係部署、高額製品になれば役員決済まで必要になってきます。
高額決済になればなるほど購入に至るまでの関門が多くなるといえるでしょう。
購入決済までの時間は年々長くなる一方=それだけ権限の細分化、関門の複雑化は進んでいる一方です。
最後の役員決済まで納得させる商品であったり、商品アピールが必要です。
6.予算枠も変化して厳しくなっている
経営状況の変化に伴い、年々予算枠が減額化している企業も多いです。
たとえ重要な事案であってもその予算枠からもれると、来年度に持ち越されます。
一般家庭であれば景気の変化で出費を控えています。
たとえ必要性を感じる買い物であっても、予算よりオーバーしていれば、「また次の機会にね」と購買を見送られてしまうでしょう。
1:5の法則
既存客向けの販促コストよりも、新規顧客獲得の販促コストは5倍かかるといわれています。
既存客は、既に商品を購入した経験があることから、新規で入ってきた顧客よりもロイヤリティ(忠誠度)が高い可能性があり、購入金額も高い傾向があります。
新規顧客は、スタートから購入していただくまでにコストがかかり、1回あたりに購入する金額も低い為、利益率が低い傾向にあります。
新規顧客と既存客では販促方法が違いコストも違います
新規顧客開拓では、顧客はまだ店舗や商品を知らない状態からスタートですので、より有効で強く認知させる販促方法をうつ必要があります。
対して既に認知済み・購入済みの既存顧客は、認知の為ではなく、リピート購入をうながす為の販促方法になります。
新規顧客向けの販促の方が、コストがかかります。
新規顧客向け販促方法の例
- webサイトの新規向けコンテンツ
- DM(ダイレクトメール):ハガキDM
- パンフレット
- チラシ:新聞折込み、置きチラシ
- 広告掲載:新聞、フリーペーパー、地域タブロイド誌
- 野外広告:看板、のぼり、デジタルサイネージ
- ネット広告:リスティング広告、リターゲティング広告、通常バナー広告
など
既存客向け販促方法の例
- webサイト内のイベント告知コンテンツ
- DM:ハガキ、手紙、ニュースレター
- メルマガ
- SNS:フェイスブック、ツイッター、LINE、インスタグラム
- アプリ:店舗専用
新規顧客獲得はなぜ難しいのか?
- 今までの広告手法ではコストの割に効果が薄くなってきた
- 価格競争の激化にはまって悪循環に陥りやすい
- 大手に客をとられてしまう
- 検索エンジンの進化で見込み客と接する機会の減少
- 権限、関門の細分化、複雑化で購入に至るまで時間がかかる
- 経営状況、景気の影響で、予算枠が厳しくなった
- 既存顧客の販促コストを1とすると、新規顧客獲得の販促コストは5倍かかる
上記のように買い手側の環境変化も手伝って、購買までの道のりは非常に難しく長期化している傾向にあります。
新規顧客開拓は非常に根気のいるとともに時間がかかる道のりになったといえます。
新規顧客獲得はコストが高いのはなぜか?
さらに単純にいうと、見込客を集めたり新規顧客を獲得するには「出会うまでに工数がかかる」からコストがかかる。
出会うまでに費やした時間と労力とコスト(経費)がかかっている。
そして見込客はいくら集めたところで、成約につながらなければ売上が1円も上がりません。(しかしコストはかかっています)
試しにあなたが一件あたりの新規顧客獲得にかかったコストを算出してみるとよいでしょう。
思っている以上に時間と労力がかかっているはずです。
新規顧客獲得にかかるコストが分かると、そのコストを捻出する為の具体的な戦略も見えてきます。
対して、企業や商品への接点がある既存顧客は販促活動を再度おこなえばリピート購入してもらえる場合があります。この場合は出会うまでの工数が省けるのでコストも省けます。
目の前のコストを考えると既存顧客へのアプローチに力をかけたくなってしまうかもしれません。
しかし!多くの場合、既存顧客の数は時間とともに減っていきます。どんなに常連さんがいても減っていきます。全員が一生あなたの店についてきてくれてずっと収入を支えてくれるとは限らないのです。
未来の利益をもたらす新規顧客も重要なのです。
なぜ口コミが起きなかったのか?
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