2023年10月11日

ドラマ「VIVANT」にみる日本人の民族性を活かしたマーケティング

TBSドラマ「VIVANT」

TBSドラマ「VIVANT」

TBS日曜ドラマ「VIVANT」をご覧になったでしょうか?
2023年、話題になりました。堺雅人さん、阿部寛さん、役所広司さん、二宮和也さん、二階堂ふみさん、松坂桃李さんら、日本を代表する豪華俳優陣が共演し、モンゴルでの大規模ロケ、先の読めない波乱万丈な展開でも大いに話題が集まりました。

実はこのドラマの冒頭には、今回の記事のテーマである「日本人の多様性を受け入れる民族性」というものが現れる場面が登場します。
そして民族性を理解することが日本人のマーケティングには不可欠なのです。

この記事では、第一部で「日本人の民族性」を、第二部で「民族性を活かしたマーケティングで成功する手法」に分けて話していきます。

第一部 日本人の、多様性を受け入れてきた民族性

第一部 日本人の、多様性を受け入れてきた民族性

ドラマ「VIVANT」第1話で、堺雅人扮する主人公が異国の宗教の祭壇の前で、その宗教式に床にひれ伏して挨拶をするシーンがありました。
その国の人は「何故、おまえはこの国の人間ではないのに、この神に挨拶をするのか?」とその行動を不思議がっていました。

日本人が受け入れる多様な宗教儀式

日本人が受け入れる多様な宗教儀式

しかし、日本人ならその国や宗教に敬意を払う意味で、宗教的な挨拶を真似てやることに違和感はないでしょう。
我々日本人は、外国人のように国や地域、また生まれ持って属した確固たる宗教というものが決まっていない人がほとんどです。
現に日本には、神道や仏教、キリスト教など、さまざまな宗教が存在し、正月には神社に参拝、結婚式を神社で、葬儀はお寺、キリストの生誕祭であるクリスマスを祝うといった多様性のある宗教儀式を昔からごく自然に受け入れています。

しかし、それは必ずしも日本人が宗教心を持っていないということを意味するわけではありません。

古来からの宗教意識「万物に神が宿る」

古来からの宗教意識「万物に神が宿る」

多くの研究者が指摘するところですが、古代の日本人の宗教意識の第一は自然や生命に対して畏敬や感謝の気持ちを持ち、それを神仏に表現すること「万物に神が宿る」という言葉がありますが、日本では古来より自然現象を始め、全てのものに神が宿ると考えられてきました。

多様性を受け入れてきた背景

多様性を受け入れてきた背景

ともすると日本人には深い信仰心がないと言われますが、目に見えない神仏の存在を信じているからこそ、固着した宗教心を持たなくても礼儀を大切にし、誰に対しても敬意を重んじる美学が古来から根付いているのです。
日本国内における寺の数と神社の数は、国内のコンビニエンスストアの数の3倍にも上ります。日本人は古来より宗教的な見地から「多様性を受け入れてやってきた背景・民族性がある」といえるでしょう。

様々に取り入れる柔軟性 食文化 住居

様々に取り入れる柔軟性 食文化 住居

多様性を受け入れることについては、食文化においても言えます。他国の料理が日本独自のものになり、日本料理として世界からも認識されているほどです。
カレーといったらカレーライス。
餃子は焼き餃子。
ラーメンは…、言うまでもないでしょう。
多様性を受け入れ他国のものを取り込み独自の文化に発展させる日本人の真骨頂ともいえます。

食事のシーンでは、西洋料理を受け入れた食文化の歴史もさることながら、フォークとナイフを使う場面もあれば、西洋料理を箸で食べることすら寛容です。

そのほか、西洋風のフローリングの住居も増える一方ですが、それでも日本では土足で家には上がらず、和洋折衷をうまく取り入れ居心地よく暮らしています。

多様な文化を融合させるのが日本人の民族性

このようなことからも、海外の文化を抵抗なく受け入れるのが日本であり、そこから更に日本の文化と融合し変換していける柔軟性を持っているのが日本人なのです。

第二部 日本人の民族性を活かしたマーケティング

第二部 日本人の民族性を活かしたマーケティング

さて、ここからは成功するマーケティングに目を向けてみましょう。
まず「マーケティング」という言葉。「小規模企業者」や「零細企業」、「個人事業主」の間でも最近聞かれるようになりました。しかし具体的にマーケティングを取り入れようという事業者は、世界企業や中小企業に比べて少なく、認識に関しても低いように感じます。
マーケティングとは「顧客・クライアント・パートナー・会社にとって価値あるものを提供するための様々な活動・仕組」のことを意味します。

マーケティングとは相手ファースト

マーケティングとは相手ファースト

結論から言ってしまうと売れるマーケティングとは、「自社と顧客、双方にとって価値のある良い関係を築くこと」です。
究極のところは、「相手の心情を察する」「相手に合わせた商材を提供する」ことです。

集客に苦労する原因1 自分を妄信する

成功するマーケティングが「相手の心情を察する」ことだとすると、それとは逆をいっている事業を営んでいる企業が多々見受けられます。
当然苦労しています。

よくある悪い事例では「顧客が何を欲しているかを知る」よりも、「自分の勘と経験のみを妄信して取り組むこと」に意義を感じている、という間違い。

集客に苦労する原因2 相手が欲しがっているものを売らないでいる

また別の悪い事例。ビジネスとは「求めている人に求めているものを提供すること」で成立しますが、自分が提供する商品やサービスを先に決めていて、後から欲しい人を探しているケースが珍しくはありません。
これらも集客に苦労する原因です。

売れるには相手の心情に合わせる

売れるには相手の心情に合わせる

販売者が売れると勝手に思い込んだ商品を、相手に押し付けることは不成功に終わります。
自分の勘と経験のみをやみくもに妄信した事業も不成功に終わります。
成功するマーケティングとは、自分より先に相手がいることになります。繰り返しますが「相手の心情を察する」つまり「相手に合わせた商材を提供する」ことなのです。

マーケティング 成功者の事例

マーケティング 成功者の事例

成功者の事例をひくと成功者の多くは、顧客、クライアント、パートナー、会社とあらゆる方面がWINWINとなるための活動を展開しており、市場調査・分析・企画・開発・ブランディングなど様々な手法を駆使して、顧客に寄り添った価値のあるものを生み出し続けています。「顧客に寄り添った」という点が大事です。

売れたあとの警鐘 一度売れたとしても時代の変化は止まらない

売れたあとの警鐘 一度売れたとしても時代の変化は止まらない

さらに言うなら、一度、販売成果が上がったからと言って安堵してはいけません。現在のデジタル中心の社会では、新鮮かつ有益な情報が溢れかえっていますので、人の心も瞬間的にコロコロ変わっていきます。マーケティング手法、勝利の方程式といったものも著しく速いスピードで変化していくのです。

よく「開業時、つまり10年前にホームページを作ったから問題ない」とか「Facebookも始めたから安心だ」などと聞きますが、本当にそれで安心でしょうか?

スピード感を実感すること

現在、ターゲットの年代によっては、ホームページでの検索なんて誰もしていない状況です。一時は隆盛だったFacebookもアメブロも過去のものとなりつつあります。
時代のスピードは私たちが思っている以上に早くて強烈です。「10年ひと昔」どころか「光陰矢の如し」素早く移り変わっています。

一つのやり方に固執しないこと

このような様々に変化を遂げている社会生活の中で、何かの施策にしがみついたり、自分の勘と経験のみを妄信したり、なんとなく詳しそうな人、身近な人の言葉を鵜呑みにしたり、提供する商品やサービスを自分勝手にコレ!と決めていたり。
一つにしがみついていては勿体ないですし、目まぐるしく移り変わるデジタル社会の中で一つの施策をやったからと安心しているのは愚の骨頂といえるでしょう。

多様性を受け入れる私たち日本人なら

多様性を受け入れる私たち日本人なら

第一部でお話したように、日本人は他者が持つ多様性を受け入れて独自の文化として変化させてきた民族性や生活習慣があります。
この考え方や感覚をビジネスにも大いに取り入れるべきなのです。

「多様性を受け入れる」のが、私たち日本人の最も得意なこと。古来からのDNAに刻まれてきたといっても過言ではないくらい深い民族性です。

冒頭でお話ししたように「万物に神が宿る」という考え方でさえも、自然と受け入れられる私達です。大切な顧客の心を察知し、寄り添うことができないはずがない。

つまり、「相手を受け入れる」「自分以外の多様なものを寛容に取り入れる」のです。

まとめ 民族性を活かしたマーケティングで成功する手法

まとめ 民族性を活かしたマーケティングで成功する手法

成功するマーケティング。それは、事業の進め方も販売促進の在り方も、自身の勘や経験のみにしがみついて判断しないで、大切な顧客の心を察知し、素早く変わる時流に敏感に対応し、広い視野を持ち、寛容に多様に他を取り入れていくこと。ぜひそうできるようになりたいものです。

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