2021年07月20日

ホームページに情報掲載をするのではなく、デジタルマーケティングにシフトしないと意味がない

ホームページに情報掲載をするのではなく、デジタルマーケティングにシフトしないと意味がない

インターネットが普及し、自社の情報を発信するためにほとんどの事業者がホームページをもっています。ホームページがない事業者は、実態がわからない、信頼性に欠けると感じる世の中です。
ホームページには、事業内容、会社概要、商品紹介などを掲載していますよね。これは、いわゆる「自己紹介」です。この「自己紹介」は、事業者側からの見た目の良い一方的なアプローチでした。

事業者が一方的に売りつけている

ホームページを訪れる人は、その会社のことを調べようと検索しているのはほんの一部です。事業者側は「ホームページを持っている=見込み客がみんな見てくれている」と思っていますが、ホームページの反響はどうですか?持っていることに満足していて、反響について疑問を感じていない事業者が多いのではないでしょうか。
更に言うならば、全ての人がトップページから入って見てくれていると思い込んでいますが、それもまた間違いで会社概要ページであったり、商品紹介ページであったりと見込み客がホームページを訪れる窓口はそれぞれです。
当然ですが見込み客が欲しい情報が掲載されていなければ検索にヒットもしませんし、見られることはありません。
事業者側からのセールス上手な情報だけを掲載しているホームページを見て、訪れた人の要望が叶えられるでしょうか?

また、「玄関リフォーム ○○市」で検索したとき大抵の人は検索一覧の一番上から見ていきます。そのために、今までは、自社のホームページが一番上に表示されるように努力してきたと思います。所謂SEOですね。
でも、GoogleはSEO対策されていて「リアルじゃない」などと若年層は言ったりしています。もちろん、Googleが上位評価しているということは、ホームページの内容が充実していると評価しているのですが、若年層は自分が信用している人、繋がりがある人の言葉の方を重視しています。「信用している人、繋がりがある人」とは生活の中で関わりのある繋がりだけでなく、むしろSNSでの繋がりです。SNSの情報の方が生の声・本音としていて「リアルである」としているのです。

「じゃあ、せっかくホームページを作ったのに見てもらえないの?何が正しくて、何が間違いなの?うちのことは、どうやって知ってもらえばいいの?」
と思いますよね。

あなたのことを知ってもらい、あなたのターゲットに確実にアプローチできるのは企業目線から発信される一方的な自社アピールであるドッチボール方のシンプルなホームページ戦略ではなく、現在は消費者の心理をあらゆる接点から得られるデータを活かして消費者一人一人の細かなニーズに対応できるキャッチボール方の「デジタルマーケティング」という手法に進化しています。

従来のマーケティングとデジタルマーケティングの違い

従来のマーケティングとデジタルマーケティングの違い

まずは、従来のマーケティングとデジタルマーケティングの違いとは何なのでしょう?

【従来のマーケティング】

  • 過去に行ってきた正攻法だけを繰り返している
  • 集団へのアプローチ(個々のニーズにはアプローチできない)
  • データの関連性に課題(広告施策の効果がわかりずらい)
  • インパクト重視(企業側の主観が強く消費者心理を置き去りにしている)

【デジタルマーケティング】

  • データを効果的に利用するので多様化している顧客との接点にも柔軟に対応できる
  • 「個」へのアプローチ(ターゲットごとに最適なアプローチ)
  • 商品やサービスを実際に利用している人と端末利用者を紐付けできる(広告効果が可視化しやすい)
  • 顧客満足重視(顧客の今の心理に寄り添える)

これだけ見てもわかりにくいと思いますが、デジタルマーケティングを実施することにより得られる最大の利益は「お客様のニーズを、お客様と接触する前に知ることができる」ということです。
お客様の欲しいものやタイミングが事前に分かりますから、セールスに苦労することはなく確実な成果が得られます。

デジタルマーケティングでできること

デジタルマーケティングでできること

そうは言っても、「やはりデジタルマーケティングとは何なのかよくわからない。」というのが本音ですよね。
では、より詳しくデジタルマーケティングについて説明していきます。

デジタルマーケティングの背景にはスマートフォンの普及率が大きく影響をしています。
15才以上の年齢層でスマートフォンまたは携帯を所有している人は100%に近い状況にあります。2021年1月のNTTドコモによるスマートフォン・ケータイ所有者のうちスマートフォン比率調査によると、92.8%の人がスマートフォンの所有者であることがわかりました。

参照【参照】モバイル社会研究所|スマートフォン比率92.8%に:2010年は約4% ここ10年でいっきに普及(2021年4月14日)

パソコンはあまり使わない方でも、スマートフォンを使わない日はないのではないでしょうか?
スマートフォンでは何をすることが多いですか?
お店のポイントカードもスマホアプリに移行しているので、ショッピングサイトのアプリが入っている人も多いでしょう。また、SNSをやっていない人でも連絡手段としてLINEはほとんどの人が入れています。
その他にも地図、動画、音楽、eBook(電子書籍)などの様々なアプリを皆さん利用されていると思います。スマートフォンを利用することにより、利用者が自分の思考・行動を履歴としてデータに残しているのです。

デジタルマーケティングは、

  • webサイト(ホームページ)
  • SNS
  • web広告
  • SEO(検索エンジンの最適化)

といったweb利用履歴取得にとどまらず、スマートフォンやタブレットなどのデジタルを通じた利用者の行動履歴、趣味趣向といったあらゆるデータを得ることで、そのデータを活用して最適な訴求活動ができます。

多様化するニーズに応えられる

多様化するニーズに応えられる

従来のマーケティングでは経験からくる成功値に信頼をおいて判断していく傾向がありましたが、皆さんも実感されているように個々のニーズが多様化している現代では、今までのようなマス広告(集団に向けて発信し、より多くの人から反響をもらおうとする)的なフォーカスの甘いアプローチでは消費者に振り向いてもらえません。消費者は、企業側の思惑からなる「みなさんにとって有益です」ということより「私にとって最適」を求めているのです。

例えば、キャンペーンなどで「QUOカードPayを1万名にプレゼント!」と広告したとします。

  • 都心に住むAさんはQUOカードPayを利用できるお店をよく利用しているので「欲しい!」
  • 地方に住んでいるBさんはQUOカードPayを利用できるお店が無いので興味がない
  • CさんはQUOカードPay自体には興味がないが広告のタレントが好きなのでカードが欲しい

といったように「プレゼントだから、みんなが喜ぶだろう」と今までの成功値だけで施策を打っても、魅力を感じる人と感じない人がいるのです。

ですが、デジタルマーケティングで得たデータを活用すれば、見込み客がどのような接点で商品を認識し、関心から購買にいたるかといったプロセスが可視化して分析ができます。
そうなるとAさん、Bさん、Cさんごとに絞り込んだ施策が考えられ、より正確なアプローチが可能となります。

欲しいタイミングで欲しい情報を渡すことができるとどうなる

欲しいタイミングで欲しい情報を渡すことができるとどうなる

昔話に【わらしべ長者】というお話があります。このお話の概要は

昔、正直者だが運のない男がいました。朝から晩まで働けど貧乏でした。こんな一生なら最後の手段として、飲まず食わずの覚悟で観音様に「何か少しでも私にお与えください」と強く祈りました。
すると、観音様が目の前に現れ「あなたは、この寺を出るとき何かをつかみます。それを持って西に行きなさい。」と告げられました。
男は言われるがままお寺を出ようとすると何かにつまづき転がり、手には一本の藁を掴んでいました。
藁を掴んだまま観音様の言う通り西に向かい歩いていると、アブが飛んできたので捕まえて藁の先に縛り付けました。

わらしべ長者1

そのまま西に歩いていくと、牛車に乗った親子が向こうからやってきて、子供は男が持っていたアブを欲しがりました。子供にアブをあげるとお礼にミカン3つをいただきました。

わらしべ長者2

さらに西に歩いていくと、高貴な娘さんが道端で苦しんでいました。娘さんは「のどが渇いて一歩も歩けない。水が欲しい」というので、持っていたミカンをあげたところ娘さんの具合は良くなり、お礼に綺麗な絹の布をくれました。

わらしべ長者3

しばらく行くと、元気のない馬のそばで「急に馬がたおれてしまった。急いでいるのにどうしよう」と侍が困っていました。馬の始末に困っていた侍に男は私が面倒を見ますと申し出ました。馬は名馬であったので男は布と馬を交換してあげました。夜通し馬を看病したところ、朝には元気になったので馬を連れてさらに西に向かいました。

わらしべ長者4

そこに、引っ越しをしている家があり立派な侍が出てきました。すると「荷物を運ぶ馬が足りない、その馬をゆずってくれ。その代わりに、私が帰ってくるまで、この家と裏にある田畑を預ける。使ってくれ。」というので、馬と家を交換しました。家の持ち主である侍は全く戻ってこず、男は立派な家と広い畑を持ちお金持ちになりました。

わらしべ長者5

以上で、ある男の人生が報われた話がめでたく終わっていくのですが、お話につけた①~④に注目してください。

  1. アブが欲しい子供
  2. 喉が渇いた女性
  3. 馬の始末に困った侍
  4. 馬を探していた侍

男は、出会ったタイミングで相手が願っていたものを与えているのです。痒い所に手が届くように、困っている人に丁度良く解決策を与えることができることは、与えられた人にとってとても助かります。困っていた分だけ価値も大きいでしょう。困りごとを解決してもらった人は、相手に対して好感すら持つことでしょう。

簡単に言えばデジタルマーケティングとは、この昔話のように、相手の困っていることを事前に理解して、相手が欲しいタイミングで差し出してあげることです。
デジタルマーケティングでは、顧客情報や履歴情報を集約して、個々に対して最も価値が大きいと感じられるタイミングでアプローチできるので、顧客満足度・購買意欲も上がります。その後も、有益な情報を適切なタイミングでアプローチすることで、LTVの最大化を実現できるのです。

※LTV(顧客生涯価値):顧客から生涯に渡って得られる利益のこと

ホームページに最新情報掲載をするのではダメなのです

ホームページに最新情報掲載をするのではダメなのです

通信状態の最速化はますます進み、更にスマートフォンなどのモバイル利用が加速する一方でしょう。また、IoTやAIの導入も多岐にわたり、情報の収集量は膨大かつ日常的になることは明らかです。
それは、今までの「非現実」が「現実」となり、今までの「非常識」が「常識」となっていきます。ネット内の話ではありません。異国の話でもありません。現実の我が地域、人との関わり方、信頼関係の作り方、価値観の基準、「普通の事」という定義すら変わっていきます。

そのような時代に、「うちは昔からのお客さんの口コミだけで十分だから」「今までの経験値で大丈夫だったから」という考え方で良いのでしょうか?

過去に行ってきた正攻法だけを繰り返し、知っていることだけを何度繰り返しても成長や成果には繋がりません! 「以前はこれで成果があった」と、お経の様に唱えていたら自身が退化していることにすら気がつかないかもしれません。
ビジネスは、業務を効率的に進化させ、同時に顧客満足を得られる手段を模索し続けなければ生き残れないのです。止まっていてはいけません。常識は変化していきます。昨日の満足は今日の普通であり、明日の不満足です。

競争相手はもはや地元の実店舗だけではないのです。デジタルマーケティングを取り入れた全国の同業他社から、あなたの見込み客一人一人に最適化された素晴らしいアプローチが実行されています。
資金にもマンパワーにも限りのある中小企業や個人事業主こそ、デジタルマーケティングを直ぐにでも取り入れていかないと難しい時代になってきています。

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